こんにちは、40代から未経験で介護職に転職したTUSKです。
今回は、認知症の症状の一つである帰宅願望の対処法について私の体験談を書いてみたいと思います。
認知症の症状といっても色々ありますが私が介護施設で働き出してから今までの間で一番といってもいいほど多くのエピソードがありその都度対応に苦慮しているのが「帰宅願望」です。
施設で暮らす高齢者の多くは認知度は関係なく誰しも「家に帰りたい」という願望は持っているかと思います。
動物には帰巣本能というのがありますのでこれはある意味当然なのかもしれませんが認知症の方の場合はこれがかなり顕著に現れます。
1番多いのが夕方になると「そろそろ家に帰るわ」といっておもむろに帰り支度をはじめたり外に出ようとされるパターンです。
私も仕事をはじめたばかりの頃はかなり戸惑いまして、先輩職員に「一体どうすれば??」と目で合図を送り助けを求めていました。
その時の先輩職員の対応の多くは
今日はもう遅いから明日帰りましょう
今日はここに泊まっていくことになっています
晩ごはんを用意していますから食べてゆっくりしていってくださいね
などなど、とりあえず先送りしてその場は収めるという感じでした。
もちろん相手は認知症の方ですから数分後にはそのやりとりを忘れてしまいまた改めて「そろそろ帰ります」とはじまりますがその都度辛抱強く同じような声掛けを行って訴えが治まるのを待ちます。
それからは私もその先輩職員を見習い同じようにとりあえずその場を適当にごまかすような対応をしていました。
が
ある日違う先輩職員が「家に帰りたい」という入居者さんに対して「どうぞ帰ってください気を付けてくださいね」という声掛けをしたのです。
これには少し驚いたのですが、様子を見ているとその入居者さんは玄関先までいってもじもじして「今日はもう暗いから帰るのは明日にします」と自ら諦めたのです。
のちに認知症関連の講習で帰りたいという方に対してなんだかんだ理由を付けて制止するよりも「どうぞ帰ってください」と送り出したうえで見守り(付き添い)をするほうが良い場合もあるということを学びました。
実際の例として、外を少し歩いたら「帰り方がわからなくなっちゃった」といって帰るのをあきらめたり、道端に咲いている花を「きれいね~」とひとしきり眺めているうちに家に帰りたいということを忘れて「さあそろそろ帰りましょう」と自ら施設に戻ったりということもあるそうです。
その後は、私も「どうぞ帰ってください」という声掛けをして自ら諦めてくれた場合はそれで良し、外に出てしまった場合は付き添いをして満足していただくまで散歩をして帰ってくるという風に対応を変えていきました。
しかし、1つ気を付けなくてはいけないことは「家に帰りたい」という訴えには本当に家に帰りたいという場合もありますが実は「引き留めて欲しい」と思って言っている場合もあるということです。
ある日、いつものように夕方頃「そろそろ家に帰ります」という入居者さんに対して「どうぞ帰ってください気を付けてくださいね」と声掛けをすると突然怒り出して「そうか私はここには必要ないんだね、帰る!!」と施設を飛び出してしまった方がいました。
私は、あわててその方を追いかけついて歩いていましたがしばらく歩いても怒りは収まらないようで「ついてくるな!」と怒鳴ったり、大声で「助けてくださいー!」と叫びながらそこら辺の家や近所の交番に入っていこうとされたり、かなり苦労をしました。
最終的には、その方がもう疲れて歩けなくなったところで違う職員に車で迎えに来てもらい車に乗せて帰りましたが、あとでこっぴどく上に叱られました。
結局のところ相手は同じ人間でそれぞれの性格・個性がありますので一辺倒の対応ではなくその人の個性に合わせた対応をしていかなくてはいけないんだなあということを痛感しました。
いくら施設の生活に馴染んでいたとしても自分の家が心配だったり自分の家に帰りたいという願望は誰しもあるかと思いますし私もその気持ちに共感できる部分は当然ありますのでそういう気持ちに配慮したうえでの対応を今後も心掛けていきたいとは思っています。
まあ、現実的には慢性的な人手不足のせいで日々業務に追われながらの介護になってしまっている現状がありますのでなかなか難しかったりするんですけどね。
それでは、今回はこの辺で
よろしければ次回も読んでくださいね~(^^♪
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